医療技術部 堀田 大祐
臨床工学技士について・臨床工学科の特色と特に力をいれていること
臨床工学技士と聞いてあまりなじみがないかもしれませんが、医療技術の進歩は、昨今目まぐるしい進化を遂げております。高度医療の裏には医療機器進歩が欠かせません。我々臨床工学技士は「厚生労働大臣の免許を受けて、臨床工学技士として、医師の指示の下に、生命維持管理装置の操作、及び保守点検を行うことを業とする者」とあります。
当院における臨床工学技士の業務は、主に「臨床技術提供業務」と「医療機器保守点検業務」に分けられます。 「臨床技術提供業務」においては、循環器業務、血液浄化業務、呼吸器業務、救急集中治療業務、において他職種コメディカルと連携を取り臨床業務を行っております。緊急対応には24h365日呼出体制による救急対応を行っております。また、「医療機器保守管理業務」においては、院内の数多くの医療機器の安全使用のため、日々増加する医療機器に対応し、保守管理及び多くの装置を中央管理しています。
医療機器のスペシャリストとして、平成19年度から施行された「良質な医療を提供する体制の確保を図るための医療法の一部を改正する法律(平成18年度第84号)」における「医療機器安全管理責任者」に臨床工学技士が任命されたことにより、臨床技術提供業務の充実はもちろん各種医療機器の安全管理を目指しております。
臨床工学科の特色としては、当院の理念でもあるように“患者様を自分の家族だと思い接する”ことを念頭に置き、患者様を第一に思い、“常に考えながら動く”ことをスローガンとしております。
医師はじめ他職種と連携を密にとり患者様に最良な医療を提供できるように行動しております。また、院内で使用している医療機器を安全に使用するためにも医療スタッフへの定期的な医療機器講習などもおこなっております。技術者として最新の知識、技術の取得を目的に学会、講習会等の参加をしております。
技術者の半面科学者としても探求心を常に持つことを意識して、日常業務からデータを収集し学会等へ発信で切るように日々努力を行えるように当科として力を入れております。
循環器業務
心臓カテーテル検査室業務
主に虚血性心疾患、不整脈治療に従事しております。
- ポリグラフ装置の監視及び操作および保守管理
- 血管内超音波装置(IVUS)操作および保守管理
- 光断層干渉撮影装置(OCT)操作および保守管理
- 体外式ペースメーカ操作および保守管理
補助循環業務
- 経皮的心肺補助装置(PCPS)操作および保守管理
- 大動脈内バルーンパンピング装置(IABP)操作および保守管理
血液浄化業務
急性血液浄化業務
重症心不全など重篤な患者様を対象に、持続的血液透析濾過(CHDF)を中心に幅広い特殊血液浄化に対応し行っております。
- 多用途血液処理用装置操作および保守管理
その他血液浄化業務
慢性維持透析患者様を中心にカテーテル検査及び治療が必要な患者様に対して血液透析(HD)血液透析濾過(HDF)等を行っております。
- 個人用多用途透析装置操作および保守管理
呼吸器業務
心不全患者様を中心に、呼吸不全をきたした患者様に対して呼吸管理を行っております。
- 人工呼吸器の操作および保守管理
手術室業務
主に下肢静脈瘤レーザー治療に対する治療補助を行っております。
- 下肢静脈レーザー装置操作および保守管理
救急集中治療業務
高度な集中治療管理が必要な患者様を対象に、循環、呼吸、代謝を担う高度医療機器の操作保守管理を中心に他職種と連携をとり対応しております。
- 経皮的心肺補助装置(PCPS)操作および保守管理
- 大動脈内バルーンパンピング装置(IABP)操作および保守管理
- 人工呼吸器の操作および保守管理
- 多用途血液処理用装置操作および保守管理
- 個人用多用途透析装置操作および保守管理
- 低体温装置操作および保守管理
機器管理業務
院内の医療機器を安全に使用するために、日常点検と定期的なメンテナンス、故障時の対応を行っております。
主に対象となる医療機器
- セントラルモニター
- ベッドサイドモニター
- シリンジポンプ
- 輸液ポンプ
- 除細動器
- 血液浄化装置
- 経皮的心肺補助装置
- 大動脈内バルーンパンピング装置
- 体外式ペースメーカ
- 低体温装置